実語教とは

子どもと声に出して読みたい実語教 齋藤孝

実語教は平安時代の終わり頃にできたと言われており、寺子屋などで子供たちの教育の教科書として使われていました。

千年もの長くの間使われてきているのには訳があり、学びの大切さ、両親・先生・目上の人への礼儀、兄弟・友達・後輩との付き合い方など、人間が世の中で生きていく上で欠かせない大切なことが、子どもたちにもわかりやすく書かれているからです。

一万円札で有名な福沢諭吉先生も実語教を読んでいました。『学問のすすめ』のなかで「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり。」と生まれながらにして平等であると説いています。しかし現実を見渡すといたるところに格差があるのはどうしてなのか?

その理由は明らかだと福沢先生はおっしゃっています。「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」と実語教を引用して、学問が大切であることを説いています。

この本は齋藤孝先生の解説で、実語教を一文ずつ詳しく解説してありとても勉強になります。解説を読んで理解することも大切ですが、この本のタイトルにある通り「声に出して読む」ことが何より大切です。江戸時代の寺子屋でも素読を繰り返し、何度も繰り返して読むことで身に染み込ませていきました。

私たちも子供たちにも、素読を通して日本の心を後世に語り継いでいきたいものです。


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