所謂其の意を誠にすとは、自ら欺く毋きなり。
惡臭を惡むが如く、好色を好むが如し。
此を之れ自謙と謂う。
故に君子は、必ず其の獨を慎むなり。
小人閒居して不善を爲し、至らざる所無し。
君子を見て后厭然として、其の不善を揜いて、其の善を著す。
人の己を視ること、其の肺肝を見るが如く然り。則ち何の益かあらん。
此を中に誠あれば外に形わると謂う。
故に君子は必ず其の獨を慎むなり。
曾子曰わく、十目の視る所、十手の指さす所、其れ嚴なるかな。
富は屋を潤し、徳は身を潤す。心廣く體胖かなり。
故に君子は必ず其の意を誠にす。