実語教4

(あく)(この)(もの)(わざわい)(まね)く。あたかも()(かげ)(したが)うが(ごと)し。

()むといえども(まず)しきを(わす)るることなかれ。(たっと)しといえども(いや)しきを(わす)るることなかれ。

あるいは(はじ)めに()(おわ)りに(まず)しく。あるいは(さき)(たっと)くして(のち)(いや)し。

それ(なら)(がた)(わす)(やす)きは、音声(おんじょう)浮才(ふさい)

また(まな)(やす)(わす)(がた)きは、書筆(しょひつ)博藝(はくげい)

ただし食有(しょくあ)れば法在(ほうあ)り、また身在(みあ)れば命有(いのちあ)り。

なお農業(のうぎょう)(わす)れず。(かなら)学文(がくもん)(はい)することなかれ。

かるが(ゆえ)末代(まつだい)学者(がくしゃ)()ずこの(しょ)(あん)ずべし。

これ学問(がくもん)(はじ)め、身終(みおわ)るまで忘失(ぼうしつ)することなかれ。